【令和4年度】司法試験・予備試験の合格体験記

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はじめに

こんにちは。

私は、令和4年度の予備試験に合格することができましたので、今回はその体験記を書かせていただきます。

 

司法試験予備試験の合格証書

 

「勉強方法は十人十色」や「合格者の数だけ合格方法がある」は、受験業界ではよく耳にする言葉だと思います。

今回の私の体験記も同様で、あくまで一例にすぎませんので、参考程度に留めておいてください。

 

特に、私は今日日珍しい「純粋ロー生」(①予備校を利用せず、②予備抜けもしない人のうち、③ローで指示されたとおりに忠実に、基本書を中心とした判例や学説等を勉強するスタイルを指すものと考えています)にあたり、大多数の予備試験受験生と異なる点が多くあるはずです。

 

実際、この体験記では、ローとの関連が色濃く出ています。

私が、通っていたローと相性がよくてたまたま成功しただけかもしれません。

あくまで1つの体験記であることは留意してください。

 

私は、日頃の勉強を「司法試験や予備試験との関係で有益か」という指標ではなく、これを知っておくことで本質的な理解に繋がるか、もっといえば「実務法曹になったときに役立ちそうか」という観点から取り組んでいました。

受験とは直結しない、ともすれば「無駄」と評されるような勉強もたくさんしていました。

一言でいうと、「(実力はつきますが、受験との関係では)効率が悪い勉強」をしていた、と自分でも思います。

そのため、予備試験の「最短合格」や「早期合格」を目指す人にとって、私の勉強法は全く参考にならないかもしれません。

 

しかし一方で、私と同じような考えをもった人など誰か1人にでも参考になればいいなと思い、体験記を書くこととしました。

 

この記事は、令和4年度司法試験・予備試験の合格者に、受験動機、使用教材、具体的な学習法、直前対策等についてご自身の体験を執筆いただいたものです。

 

第1 基本事項

 

1 属性等

私は、法学部に4年間通った後、ロースクールに既修で入学し、ロー3年生の時(令和4年度)に予備試験に合格しました。

予備試験の受験回数でいうと、3回目での合格になります。

 

2 予備試験を受験した理由

 

⑴ 過去の受験歴とその動機

私は、法学部1年生の時から司法試験を目指して勉強していましたが、当初から「予備ルート」ではなく「法科大学院ルート」を想定していました。

理由は、様々ですが、「院卒の方が(学歴的に)すごそう」「予備試験は難しいらしいから自分には厳しいかも」「ロースクールでしっかり勉強したい」などが挙げられます。

いずれにしても、予備ルートは考えていませんでした。

 

しかし、過去に2度受験しています。

学部3年生の時(平成31年度)とロー2年生の時(令和3年度)に受けましたが、正直、どちらも記念受験の域を出なかったです。

「周りの友だちや先輩が受けているから」というだけだったように思います。

学部3年生の時は明らかに勉強不足でしたし、ロー2年生の時もローに入学した直後に短答式試験があるわけですが、予習復習に追われて予備試験の勉強などする余裕がなかったので、当然落ちました。

 

なお、学部4年生の時はどうだったのかというと、受験しませんでした。

正確には、払戻しを申請しました。

 

令和2年度はコロナの影響で試験の時期がずれて、(学部4年生にとっては)予備短答とロー入試の時期が重なる異例の年でした。

私は予備試験よりもロースクール入試の方が大事だったので、予備試験に余裕なリソースを割いている余裕はないと判断し、(ギリギリで受験申込みをしてしまったものの)払戻しがあると知るや否や早々に予備試験から撤退しました。

翌年に短答落ちしていることからも、この年の判断はよかったのではないかと思います。

 

来年度(令和5年度)以降は、予備試験の時期がずれるせいで、短答とロー入試の時期が重なると思います。

自分の中での優先順位や学力に応じて、予備試験から撤退するという判断はあり得ると思います。

 

⑵ 今回受験した動機

先述のとおり、私は純粋ロー生ですので、予備試験を目指す理由は特にありませんでした。

実際、過去の受験はいずれも記念受験でした。

 

しかし、ロー2年生の時、翌年の予備試験の受験を(真剣に)決意することになります。その理由は、不純ですが大きく3つ挙げられます。

ある月曜日の朝、周りの席の友人が「あの問題どうだった?」「俺はこう書いた」などと話しているのを目にしました。

後に、それが予備論文の問題の話だったのだと知ります。

私には、それが「短答合格者にだけ与えられたすごいもの」のように思えました。

自分がその会話に混ざる資格がなかったことが悔しくて、来年はあちら側の人になれるように絶対に短答は受かろうと思いました。

 

もう1つの理由は、模試としての活用、実力試しです。

司法試験と予備試験とでは考査委員に被りがあるので、予備論文である程度の成績を収めることができれば、本番(司法試験)でも十分戦えるという目安にもなると考えました(しかも、予備論文合格者はおよそ翌年度の司法試験を受験するので同期のライバルとなります)。

そして、この模試(予備試験)は、どの予備校が提供するものよりも問題の練度が高く、採点も正確で、かつ、低額です。

出題スタイルこそ司法試験とは異なるものの、絶好の機会だと思いました。これ最大の理由です。

 

最後の理由として、ロー2年生の時にクラスメイトが予備試験に合格したことが挙げられます。

「予備試験は合格率4%の超難関試験」だと漠然と思っていましたが、自分の身近な人が合格するのを見ると「じゃあ、自分もチャンスあるかも?」などと思ってしまいました。

 

第2 勉強について(総論)

 

1 基本的な勉強スタイル

基礎講座や答練を含めて予備校は使っていなかったので、ローがメインになります。

勉強方法について、ローの入学時に、先生から「授業、共学、自学」の3つの輪が大切である旨のお話を聞きました。

曰く、「授業」とは、授業の時間及びその予習と復習を指し、「共学」とは自主ゼミ関連のことでした(私の通っていたローでは、自主ゼミが先生からも推奨されていました)。

「自学」とは、それ以外の独りでする勉強(基本書の読み込み等)を指し、授業やゼミの予習や復習を個人でやったとしても、それは含まないということでした。

私の勉強スタイルはこれに忠実に従った形になります。

 

私が勉強で大事にしていたことは、いうまでもなく条文、判例、学説ですが、それらを自分の言葉で説明することができるようにすることでした。

これは「授業、共学、自学」のどの場面においても最も重視していました。

 

ローの先生は「(司法試験の合格は当然で)その先のことを見据えて教育をする」方針を採っていました。

これは、その先のことをやっていれば、通過点である司法試験は容易に突破することができるという考え方だと思います。

私はこの考え方が好きでローを選んだ側面があったので、そのとおりに勉強していました。

 

たとえば、自学では、雑誌をよく読んでいました。

「法教」「法セミ」「ジュリスト」「法時」「判時」などは刊行されるたびに、おもしろそうな記事や評釈を見つけては読んでいました。

参考文献として学者の論文が挙がっていたら、図書館で調べて読んでいました。

判例は、原文や調査官解説を当然のように読んでいましたし、大審院時代のものも自分で読んだりしていました。

 

しかし、これらの勉強は、多くの受験生がやっていないことが物語っているように、受験との関係で必要ではないことは明らかだと思います。

私は「受験生」というより「教育機関に通う学生」という気持ちの方が強かったので、このような勉強をしていました。

 

2 ロー(教員)の活用

「ローの授業は有害」「ローは無視して自分で司法試験の勉強をした方がよい」という意見を聞いたことがありますが、私はそうは思いませんでした。

時代や学校にもよると思いますが、少なくとも私の体験したロースクールは、司法試験との関連性が希薄で有害な課題をたくさん与えてくるような所ではありませんでした。

 

むしろ、司法試験や予備試験にも精通するような、判例や学説の理解に役立つ授業がたくさんありました。

「ローでの勉強は先端的で難しく、司法試験のレベルを超えている」というのは正しいと思いますが、それは試験に役立たないこととは異なると思います。

ローの授業は大事にしていました。

 

私の通っていたローは比較的少人数だったということもあって、先生への質問がしやすかったです。

先生は、授業後に授業の質問に対応してくれたり、授業がない学期でもメールで対応してくれたりするなど、とても親切な人が多かったです。

「予備試験の〇年の問題なのですが」と質問すると一蹴されるかもしれませんが、一般論として質問する分には、授業で扱っていない内容だったとしても丁寧な回答を得ることができました。

 

私は、授業以外にも、自習やゼミで出た疑問をたくさん先生にぶつけていました。

 

3 ゼミの活用

自主ゼミが活発なのは私が通っていたローの特徴だと思います。

学生間の任意の勉強会なので、誰と、何を、どれくらいの頻度で、どのような方法でするかは、すべて自分たちで設定できます。

特定の目的に向かって行うゼミもあれば、なんとなく「いつメン」のような気軽に相談できるゼミもありました。

私が組んでいたゼミの例を挙げると、ローの授業の予習復習や期末試験対策をするゼミ、司法試験や予備試験の過去問を検討するゼミ、演習書を解くゼミ、判例を読み込むゼミ、短答を解くゼミ等です。

 

ゼミの利点は様々挙げられます。いくつか紹介させていただきます。

 

⑴ 強制的に勉強をする環境作り

私は、1人だとサボる傾向にあることがわかっていたので、ゼミの強制力を活用しました。

友だちと一緒にゼミのスケジュールを組むことで、確実に過去問を潰したり、演習書を解き進めたりすることができます。

ただ、この点は私のような意志の弱い側の意見なので、逆に、学生同士でやると無駄が多いとしてゼミをしない人もいました。

 

⑵ 周りの学生の実力を知ることができる

成績順位が発表されるロースクールもあると思いますが、それでも周りの学生がどのような答案を書いているか知る機会は、普通に生活しているとほとんどないように思います。

ゼミで答案を共有すれば、少なくともゼミのメンバーの実力は知ることができますし、誰かが他のゼミと掛け持ちしていれば、噂程度でも他の学生の実力も知ることができます。

 

周りの学生の実力を知ることは、自分が(少なくともロー内で)どの位置にいるのかを推測するのに役立ちます。

司法試験も予備試験も結局は相対評価なので、周りの学生の実力を知らずに闇雲に勉強するよりも、自分の現在地を知ることは重要だと思います。

 

⑶ 他の学生から学びを得られる

自分よりも優秀な学生がいた場合に、その人から得ることが多いのは容易に想像できると思います。

規範を拝借することも、あてはめが上手な人の着眼点を参考にすることも、得られることは多いです。

 

反対に、自分の方が仮に優秀だったとしても得られるものは多いです。

自分の考えを説明しているうちに論理の欠陥を指摘されたり、「ここがわからない」と相談された部分を自分でも説明できなかったりする場合、1人では見つけられなかった発見があります。

これはローの先生から自主ゼミを推奨された際に教えていただいた一般論ですが、実際に私も感じました。

 

ただ一方で、自分よりも優秀な人としか組まない人もいました。

 

⑷ 精神的な安定

⑵とも通じるところですが、1人で勉強していると不安になる時があります。

「自分の勉強法は正しいだろうか?」「みんなもっと優秀なんじゃないだろうか?」などネガティブ思考に陥りやすいです。

実際、ゼミをあまりやっていない友だちは、こうなりやすいと言っていました。

 

ゼミで人と話すだけで不安な気持ちが和らぐこともありますし、さらに自分がみんなと同じくらい(場合によってみんなよりも)出来ていた場合には自信に繋がります。

もちろん「自学」の時間も必要ですが、他人とコミュニケーションをとりながら勉強をすることは、私の性格とマッチしていました。

 

4 個別指導の活用

 

⑴ 学部時代

大学の制度で、弁護士の先生に週1回ゼミをしてもらう機会があったので、それを活用していました。

なので、この時期に予備校や個別指導を利用することはありませんでした。

ゼミは何個出てもよかったので、私は3〜4個は出て、毎週最低でも3〜4通は起案するようにしていました。

 

答案は提出すれば添削していただけたので、先生からのコメントを見て、自分で調べたり、わからないものは先生に質問したりしていました。

「個別指導は1人に見てもらった方がいい」という意見もあると思いますが、私は、殊答案添削に関しては色んな人の意見を聞いた方がよいと思いました。

個別指導には、インプット面とアウトプット面とありますが、前者については1人の方が安定しそうですが、後者はなるべく多い方がよい気がします。

多角的な視点を得ることができるからです。

 

⑵ ロー時代

私は、外部のロースクールへ進学してしまったため、学部時代の恩恵を継続して受けることができませんでした。

そこで、ローに入ってから、個別指導を使ってみました。

 

私が利用していたのは、インプット補助や問題解説ではなく、答案添削のみです。

扱う問題集を指定し、答案を作成・提出すると、先生が添削をして返してくれました。

私は、毎回の起案を有意にしたかったので、答案の末尾に自分が気になっていることをあらかじめ書いていました。

先生も私の疑問に対して応答してくださいました。たとえば、こんな感じに書いていました。

 

「〇行目は、実は理由付けになっていない気がします。どうでしょうか?」

「全体的に理解が怪しいので、間違っているところはたくさん指摘してほしいです。」

「解説のこの部分は〜〜だからおかしいと思ったのですが、どうでしょうか?」

 

ローでは自主ゼミを組んでお互いに答案にコメントを付けていたため、他人の答案を見る機会も、他人に自分の答案を見てもらう機会もありました。

 

しかし、添削するのは学生なので、コメントの正確性が担保されているとは限らないと思いました。

そこで、(基本的には自主ゼミでよいのですが)その方向性が間違っていないことを確認する趣旨で、個別指導を利用し、司法試験の先輩であり合格者である弁護士に答案を見てもらうことにしました。

私の考えからすると、ここでも複数の個別指導を利用して答案を見てもらうべきだったかもしれませんが、ロー生も(正確とは限らないものの)それなりに実力はあるはずなので、方向性が間違っていないという裏付けさえ取れればよいと思い、最低限に抑えました。

 

5 1日の勉強時間

私が最もストイックに勉強していたのは、実はロー入試の前でした。

その時は、1日のうち最低限の生活時間(睡眠、食事、風呂、若干のリラックスタイム)を除いたすべてを勉強に充てる計画を立てて実行していました。

 

ローに入ってからは時間を意識した勉強は(特に自学では)、あまりしないようになりました。

勉強時間のカウントの仕方にも様々な方法がありますが、自学以外にも授業や共学も含めた時間だったとしても、おそらく勉強時間の総量は減っていると思います(今はそこまでストイックではないです)。

ただその分、勉強の質が向上したように思います。

ローでの学習を通じて、表面的な理解から深層の理解へと変わっていった実感がありました。

 

なお、ここで注意が必要なのは、勉強の質を追求するあまり量を疎かにしてはならないということです。

質は自ずとついてくるものなので、自力でがんばっているうちは量を重視すべきです。

ローに入ってからの質の向上は、間違いなく入試前の量が影響していたと思います。

「勉強は量か質か?」で悩んでいる人は、量をやることから逃げているだけの可能性があるので、厳しい物言いですが、現実を見て大人しく量をこなすことをおすすめします。

 

私は、1人だとだれてしまうことがわかっていたので、積極的に自主ゼミを組んで強制的に勉強する環境を作るようにしていました。

長期休暇中は週5以上でゼミがあることも珍しくなかったです。

ゼミは、事前起案→ゼミでの議論→復習の過程があるので、これだけでもそれなりの勉強時間を確保することができました。

ゼミ以外の勉強も含めて、実際に1日あたりどれくらい勉強していたのかは定かではありません。

 

ただ、私は、朝は遅いわりに夜も遅くまでやりたくなかったので、総じて「勉強量が多い」と評されることはなかったと思います。

 

6 モチベーションの維持方法

たくさん考えられますが、思いついたものをいくつか挙げたいと思います。

私は勉強のスイッチが入るまでが遅いスロースターターだったので、他人よりも娯楽に甘いと思います。

以下に挙げるものを推奨するつもりは全くありませんが、私のような例もあるというご紹介になります。

 

⑴ SNS、YouTubeの解禁

先述した最もストイックだったロー入試の時期は、スマホは必要以外では触らず、ゲームはもちろんSNSやYouTubeも自分で禁止していました。

 

しかし、それはストレスになったのでやめました。

私は、わりとストレスフリーで勉強していた気がしますが、その要因の1つには、これらの制限を何も課さなかったことが挙げられると思います。

 

私は、家では勉強せず(できず)、勉強は外でするタイプだったので、家に帰ってからはリラックスするのは当然で、(口述の直前期以外は)毎晩YouTubeを数時間見るのが日課でした。

 

⑵ 勉強場所の工夫

私は、基本的に家では勉強することができなかったので、ローの自習室も使いましたが、図書館やカフェにもよく行っていました。

カフェは当然お金がかかるので無限に行けるわけではないですが、それで自分のやる気が出るならば必要費だと考えて、行きたくなったら気が向くままにカフェに行っていました。

ずっと同じ場所に座り続けると集中力が低下するので、リフレッシュに勉強場所を変えてみるのはおすすめです(ただし、カフェが常態化して特別感がなくなると意味がないので、その点は要注意です)。

 

⑶ 飲み会はフル参加

より一般化した形でいうと、「勉強から離れて楽しむ機会」を大事にしていたということです。

私は、飲み会に誘われたら、予定が重なっていて物理的に行けない場合を除いて、フル参加していました。

完全な気分転換です。

「お酒を飲むなんて緊張感が足りない」「〜〜までのタスクがまだ終わっていない」などの心理的な理由で飲み会に参加しないことはありませんでした。

 

「そんなに遊んで本当に大丈夫か?」という抽象的な不安はあると思いますが、そもそも私は夜遅くには勉強をしていなかったので、夜から始まる飲み会に参加してもあまり影響がなかったです。

それよりも、飲み会で気分転換ができて、むしろ有益だと思っていました。

 

⑷ 自主ゼミ

日頃の勉強でいうと、自主ゼミの存在は大きかったと思っています。

先ほど「3 ゼミの活用」でゼミの利点を挙げましたが、その「⑷ 精神的な安定」です。

 

ゼミをあまり組んでいない友だちは、「普段あまり誰とも喋らないから気持ちが沈みやすい」と言っていました。

ゼミには、反対派がいうような無駄もあるかもしれませんが、プラスの側面も大きいと思います。

特に、受験直前期は、正直精神力勝負のようなところがあるので、人と話すことで気持ちを和らげることができるのは、ゼミのとてもよいところだと思います。

 

第3 各科目の勉強について

私が使用した教材をご紹介した後、私がどのように学習していたのかをご説明したいと思います。

科目ごとに様々な教材を使用しましたが、どの科目にも共通していえるのは、私が最も大切なのは、六法であり条文であるということです。

 

書籍の呼び方が略称や通称ばかりですが、あらかじめご了承ください。

 

書籍は3つのカテゴリに分類しました。

演習書っぽい本でも参考書として使っていた本は、そのようにカテゴライズしました(古江など)。

マークの意味については以下のとおりです。同じマークでも上にあるほどよく読んだ本です。

基本的に◎か○くらいまでは読んでもいいと思います。

×にもいい本はあるのだと思いますが、よくわからないです。

 

◎:基本書。よく使用した。
○:◎ほどではないが使用した。
△:たまに参照した。なくてもいいor過去に使って有益だった(今は使っていない)。
×:自分は使っていなかったが評判がよさそうな本。

 

1 憲法

 

⑴ 使用教材

  • △ 宍戸常寿『憲法解釈論の応用と展開』
  • △ 『射程』(なぜかロー内のシェアがめちゃくちゃ高かったです)
  • △ 『憲法Ⅰ・Ⅱ』(新四人組)
  • △ 『読み解く合格思考』(憲法答案の型を学べます)
  • × 『憲法学読本』
  • × 『芦部憲法』(私の周りで芦部ユーザーはいませんでした)

 

  • ○ 『百選Ⅰ・Ⅱ』
  • △ 『精読(人権編)』
  • × 『地図』

 

  • △ 『憲法事例演習教材』(授業でやりました。やらなくていいと思います)
  • × 『憲法ガール』(司法試験の解説本)
  • × 予備試験の過去問(過去問は解いた方がいいと思います)

 

⑵ 学習方法

憲法ではこれといった基本書を(持っていましたが)使っていませんでした。

私は憲法が好きで、この他にもたくさん副教材をかじった記憶があります。

最終的には判例を大事にしていたので、『精読』や『百選』、『射程』などを使うことが多かったと思います。

 

判例を読むときは、訴訟の中での位置付けを意識することを心掛けていました。

日本に憲法裁判所がない以上、憲法判例の事件は必ず民事事件・刑事事件・行政事件のいずれかに分類できます。

事案の概要を見て、当該事件の訴訟物は何か(民事に限らず刑事・行政でも考えます。

刑事の場合は訴因にあたると思います)、何のために、どの要件との関係で、当該憲法上の権利の主張が行われたのかを確認することを大切にしていました。

この判例の読み方は、憲法に限らず他の科目でも同じだと思います(特に民事系)。

憲法は射程が難しい科目なので、原文を読む機会が多かったです。

 

憲法は問題演習をほとんどしていませんでした。

予備試験の過去問も解いていなかったです(本来は、過去問は最低限解くべきだと思います)。

ローの授業で習ったことを当時のノートを見て振り返ったり、判例を読んだりして頭の中で整理することが私の憲法の学習の中心でした。

 

私は、月初に図書館で雑誌を見るのを楽しみにしていたので、「法教」や「法セミ」などは毎月チェックしていました。

通読するのではなく、おもしろそうな記事や連載、判例評釈、演習をつまみ食いする形で使っていました。

これらは判例の理解に役立って有益だと思っていましたが、周りに同じことをしているロー生はいなかったので、オーバースペックだったのだろうと思います。

たしかに難しい雑誌もありますが、「法教」と「法セミ」は学生向け雑誌なので読んでも損はないと思っていました。

 

2 行政法

 

⑴ 使用教材

  • ○ 『基本行政法』
  • △ 『宇賀概説Ⅱ』
  • × 『サクハシ』(あまりユーザーを見かけませんでしたが、いい本だと思います)

 

  • ○ 『百選Ⅰ・Ⅱ』
  • △ 『ケースブック』(授業で使いました)

 

  • ○ 『基礎演習行政法』
  • ○ 『実戦演習行政法』(予備試験の解説本)
  • × 『事例研究行政法』
  • × 『行政法ガール』(司法試験の解説本)

 

⑵ 学習方法

『基本行政法』を基本書としつつ、土田先生の演習書を2冊とも解きました。

私は、ローに入ってから行政法の勉強を始めたので苦手意識がありましたが、土田先生の『基礎演習』(ピンクの本)は解説が丁寧でよかったです。

これを通じてインプットをしたような側面すらあったと思います(ただしこれは基礎なので、これ以外にも解くべきです)。

『実戦演習』を解いたのというのは、予備試験を解いたというのと同義です。

『基礎演習』の後にやったので、大筋が掴みやすかったです。

 

『事例研究』に取り組んでいる人もいましたが、行政法が苦手な私には手が出ませんでした…。

 

判例集は『百選』(とローで指定された『ケースブック』)を使っていましたが、正直どっちでもいいと思います。

重要な判例はそもそも原文を読むことになると思います。

 

3 民法

 

⑴ 使用教材

  • ◎ 佐久間毅『民法の基礎1・2』
  • ◎ 中田裕康『債権総論』
  • ◎ 『類型別』(要件事実)
  • ○ 中田裕康『契約法』(同じ中田先生の本でも、こちらはあまり使わなかったです)
  • ○ 道垣内弘人『担保物権法』
  • △ 『新問研』(要件事実)
  • △ 『潮見イエローⅡ』(不法行為)
  • △ 『リークエ民法Ⅴ』(法定債権)
  • △ 『新ハイブリッド民法5』(家族法)

 

  • △ 『百選Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ』

 

  • ◎ 『実戦演習民法』(予備試験の解説本)
  • ○ 司法試験の過去問
  • △ 『ロープラ民法Ⅰ・Ⅱ』

 

⑵ 学習方法

過去問演習が中心でした。私はロー生だったので、司法試験の過去問も新しい方から順に5年くらいは解いていたと思います。

予備試験の過去問は『実戦演習民法』を使って解いていました。

判例集は『百選』を持っていましたが、ほとんど読んでいなかったです。

その代わり、基本書や過去問で出てきた重要そうな判例は、都度原文や調査官解説を読むなどしていました。

演習書は『ロープラ民法Ⅰ・Ⅱ』を学部時代にたくさん解きました。

ローでの演習は過去問ばかりでした。

その他にも雑誌をたまに眺めていました。

 

民法は得意だったので少しコメントします。

私は、民法の問題を検討するときは、必ず要件事実「的な思考」をするようにしていました。

要件事実をそのまま適用すると硬直な答案になってしまい、むしろマイナス評価になりかねないので厳密に考える必要はないですが、発想を拝借します。

あくまで民法の試験であって要件事実の試験ではないため、主張立証責任の配分は一旦脇に措いて、実体法上の要件を基準に考えていきます。

要件事実的思考というのは、請求の趣旨及び訴訟物から考えて(Stg)→原告の主張(Kg)→被告の反論(E)→原告の再反論(R)→…という流れで考えることを指します。

 

私は、この流れを強く意識していました。

これは「生の利益から考える」や「法律効果から考える」というのと同じです(請求の趣旨)。

請求する内容が定まれば、その法的根拠を考えます(訴訟物選択)。

 

次に、その要件充足性を考えます(Kg)。

ここでは実体法上の要件をすべて満たしているかを検討します。

条文を読んで要件を抽出し、要件該当性を検討するだけです(刑法と変わりません)。

条文から直ちに要件が導けない場合には、趣旨から解釈論を展開しますが、基本的に法的三段論法に従って書けば足ります。

抗弁(R)以下もKgと同じことをします。

 

民法で大事なのは、判例や論点に飛びつくのではなく、事案を要件事実的思考で整理した上で、ブロックの中のどこに問題があるのかを見極めて、一足飛びに論じることはせず、きちんと原則から(Stg→Kg→E→…の流れで)論じることだと思います。

これは司法試験の採点実感でも指摘されていることだと思います。

 

4 商法

⑴ 使用教材

  • ◎ 『リークエ会社法』
  • × 『紅白本』(かなり人気だったので田中の上に載ました)
  • △ 『田中亘』
  • × 『江頭』(流石にこれを基本書としている人はいなかったと思います)

 

  • ◎ 『百選』
  • ◎ 予備試験の過去問
  • ○ 司法試験の過去問
  • ○ 『ロープラ商法』
  • × 『事例で考える会社法』
  • × 『会社法事例演習教材』(ローでは見かけませんでした)

 

⑵ 学習方法

私は『リークエ』派でしたが、『紅白本』を使っている友だちも多かったです。

『田中亘』や『江頭』は辞書でよい気がしました。

判例集は『百選』をとにかく読み込んでいました。

会社法は下級審でも重要な判例が多いので、『百選』以外にも大事なものは読んでいました。

ここでも雑誌を活用していました。

 

演習書は『ロープラ』を通算で2周しましたが、予備試験の過去問の方が大事だと思います。

受験新報の学者解説を参照していました。

司法試験の過去問も検討しましたが、予備は条文問題が出題される傾向にあり、両者の出題傾向が他の科目に比べて(大きく)異なる気がします。

まずは予備試験の過去問を潰すのが有益だと思います。

『事例で考える』は使っていませんでしたが、調べもので見たことがあります。

 

会社法は(社会人経験はないですが)、私の最も得意とする科目でした。

周りに苦手とする人が多く相対的に浮いた結果となったわけですが、受験生が会社法を苦手とする最大の理由は条文(膨大な量、複雑な構造など)にあると思います。

しかし、逆に条文を覚えてしまえば得意科目にすることもできる科目だと思います。

 

また、会社法は判例が重要なイメージがあります。

『百選』の読み込みが有効ですが、その際に、当該判例が「どの条文の問題か」「訴訟上の攻撃防御のどのフェーズで問題となっているのか」などを考えながら読むと理解が深まると思います(憲法で指摘したのと同じです)。

 

5 民訴法

⑴ 使用教材

  • ◎ 『リークエ民訴』
  • ○ 『類型別』(要件事実)
  • ○ 『新問研』(要件事実)
  • △ 和田『基礎からわかる民事訴訟法』
  • △ 高橋『概論』
  • × 高橋『重点講義』(辞書として活用することはゼロではなかったです)
  • × 勅使河原『読解』

 

  • ○ 『百選』

 

  • ○ 『ロープラ民訴』
  • ○ 司法試験の過去問
  • △ 『ロースクール民訴』(授業でやりました。1人でやる必要はないと思います。難)
  • △ 予備試験の過去問
  • × 『事例から考える民訴法』(やろうと思って放置していました)
  • × 『藤田解析』(旧司の解説本)

 

⑵ 学習方法

基本書は『リークエ』を使っていました。

「すこし詳しく」というコラムの問題意識が高く(司法試験レベルですが)勉強になりました。

なお、学部時代は、『和田』を読んでいました。

 

しかし、(現在は改訂されましたが)内容が古く、基礎はわかるものの応用に進むときに痒いところに手が届かない印象があり、『リークエ』に乗り換えました。

民訴は副教材をあまり使っていない科目でした。

多くを読み漁るよりも深く理解することが大事という印象があります。

 

判例集は『百選』でした。改訂が待ち遠しいです(第5版は2015年11月刊行)。

 

演習書は『ロープラ』を学部時代に2〜3周解きました。

司法試験を含めて過去問を解いていましたが、辰巳の『ぶんせき本』を使っていたと思います。

民訴はゼミで(なぜか)後回しにされがちで、あまり真剣に取り組んでいなかったですが、過去問と基本書を往復するのが有効だと思います。

予備試験よりも司法試験の過去問が上にあるのは、ゼミでの優先順位がそうだったというだけで、予備試験の過去問から解いていいと思います。

司法試験のあの誘導を読み解く必要はないです。

 

6 刑法

 

⑴ 使用教材

  • ◎ 『刑法総論の悩みどころ』
  • ◎ 「刑法各論の悩みどころ」(法教連載。書籍は未刊でした)
  • ◎ 『基本刑法Ⅰ・Ⅱ』
  • △ 呉明植『基礎本1総論・2各論』

 

  • △ 山口厚『基本判例に学ぶ刑法総論』(ちょっと古いです。ほとんど使っていないです)
  • △ 『百選Ⅰ・Ⅱ』

 

  • ◎ 刑法事例演習教材
  • △ 予備試験の過去問
  • △ 司法試験の過去問

 

⑵ 学習方法

学部入学後、最初に勉強を始めたのが刑法でした。

とっつきやすかったからです。

その頃は右も左もわからない状態だったので、薦められるままに『呉・基礎本』を買って読んでいました。

その後、『基本刑法』も薦められましたが、本格的に使い始めたのはローに入ってからだったと思います。

 

もっとも、『基本刑法』も通読したのは口述直前だけで、その他は授業や演習をしていて、気になった箇所をつまみ食い的に読むようでした(なにしろ分厚いので)。

『悩みどころ』は論点解説本なので、参考書の位置付けですが『基本刑法』よりしっかり読み込んだと思います。

 

刑法は、過去問演習をほとんどやっておらず、『事例演習教材』を友だちとゼミでやっていました。

本来は過去問を優先すべきですが、この本も劣らずいい演習書だと思いました。

 

判例集は使っていなかったというのが正確だと思います。たまに参照した程度です。

『事例演習教材』を解いていて、元ネタとなった(裁)判例を調べるだけでも十分網羅性がある気がします。

 

7 刑訴法

⑴ 使用教材

  • ◎ 『基本刑訴Ⅰ・Ⅱ』
  • ○ 『古江』
  • △ 呉明植『基礎本3刑訴』
  • △ 『伝聞法則に強くなる』
  • × 『リークエ』(本来はこれが一番に来る人が多いはずです)

 

  • △ 『百選』(本来は◎でなければならないです)
  • × 『川出判例講座』

 

  • ◎ 予備試験の過去問(刑訴)
  • ○ 予備試験の過去問(刑実実務基礎)
  • △ 工藤北斗「過去問から学ぶ答案の書き方」(受験新報の連載)
  • × 『エクササイズ刑訴』

 

⑵ 学習方法

基本書は『基本刑訴』を使用していました。

『呉・基礎本』を使っていた経緯は刑法と同じです。

その後最初は『リークエ』を読んでいましたが、どうも自分の肌に合わずやめてしまいました(『基本刑訴』が出版されてすぐに乗り換えました)。

 

『基本刑訴』は『Ⅱ』のみならず『Ⅰ』もよく読みました。

ローの模擬裁判の授業や、予備論文の刑事実務基礎、口述(刑事)の対策として、手続を理解しておくことは大事だと思います。

『Ⅱ』は「問題の所在」「判例」「設問検討」などわかりやすくまとめられており、刑訴が苦手だった私としては大変ありがたかったです。

参考書として、『古江』もたまに読んでいました。

 

判例集は『百選』を持っていましたがあまり読んでいませんでした…(←これは読むべきだと思います)。

『川出・判例講座』を使っている友だちもいました。私は刑訴が苦手でそこまでやっていませんでした。

 

演習書は解いていませんでした。

かつて工藤北斗さんが受験新報で連載していた旧司と、予備試験の過去問を解きました。

 

8 選択科目(経済法)

 

⑴ 使用教材

  • ○ 『辰巳の1冊本』

 

  • ○ 『百選』

 

  • ○ 『論点解析』

 

⑵ 学習方法

ローの授業のレジュメが基本書代わりでした。

演習書として『論点解析経済法』を使っていました(今は絶版になってしまったと聞きました)。

 

予備試験の過去問は集積がないので、司法試験の過去問を検討するというのが正攻法だと思います(実際、友人はそうしていました)が、私には手が出ませんでした…

 

私はローに入ってから選択科目を決め、勉強を始めましたが、圧倒的に勉強時間が不足していた科目でした。

令和4年度は選択科目がある最初の年ということもあって難しい問題は出ないだろうと思い、ほとんど勉強していませんでした…

 

9 実務基礎(民事)

 

⑴ 使用教材

  • ◎ 『類型別』
  • ○ 「事実摘示記載例集」(『民事判決起案の手引き』の最後についている付録)
  • ○ 『新問研』
  • △ 『大島本(上巻)』

 

  • ◎ 過去問

 

⑵ 学習方法

過去問はゼミで検討しました。

要件事実については、ローの授業も参照しましたが、過去問以外に特別なことはやっていないです。

 

『大島本』は、みんなが読んでいるのに焦って少し着手したことがありましたが、別にいいかなと思ってすぐにやめました(後述)。

 

10 実務基礎(刑事)

 

⑴ 使用教材

  • ◎ 『基本刑訴Ⅰ・Ⅱ』
  • ○ 『百選』

 

  • ◎ 過去問

 

⑵ 学習方法

民実と同じく刑実もゼミで過去問を潰しました。

また、犯人性の考え方などは、ローの実務科目の授業があったので、そこでも勉強しました。

手続を理解する上で、『基本刑訴Ⅰ』と模擬裁判が非常に勉強になりました。

 

第4 予備試験の対策

 

1 冬休み

私が予備試験を真剣に意識し始めたのは、ロー2年生が終わった冬休みの時期でした。

令和3年に予備短答に落ちた後、来年は受けようかどうしようかと悩んでいましたが、冬休みに友人に予備試験対策ゼミに誘われたのがきっかけで、本格的に勉強することになりました。

 

それまでは、ローの予習復習と、ゼミで司法試験過去問を少しやっていただけで、予備試験に向けた特別な勉強はしていませんでした。

しかし、予備試験とこれらの学習は全く別物というわけではなく、むしろ同じ方角を向いているので、予備試験の対策にもなっていたと思います。

⑴ 短答対策

短答については、令和3年度の結果から、自分の苦手科目が行政法と刑訴法であるということがわかりました。

この2つは、そもそも勉強量が圧倒的に不足しているという自覚があったので、意識的に取り組んで、(得意科目にする必要はなく)少なくとも平均に乗るくらいには仕上げるべきだと考えて、まずはこれらの『短答パーフェクト』を始めました。

 

私の短答の解き方は(これが良いのかはわかりません。非効率的だと思いますが)、次のようなものでした。

 

  1. ノートを用意して、アイウエオのすべての肢に○×を書き、そう考えた理由を一言横にメモする。
  2. 自信がないものについては、ノートの(たとえば)ア肢に△マークを付けておく。
  3. 丸つけは1問ずつやると効率が悪く、単元別の『短パ』では次以降の問題の答えを見ているのに等しいため、10問ごとにやる。
  4. 誤っていた肢にはノートに赤ペンで×を付け、解説は×と△の肢のみ読む(無印で正解した肢の解説は読むことができない)。
  5. 各肢の正誤(△を含む)を『短パ』に書き込み、次の10問へ。

 

私の解き方で、効率がよくないだろうなと思う点は①です。

確実に時間がかかってしまいます。

 

しかし一方で、ノリで解いているわけではないので、定着度は高いようにも思います(それでも非効率が気になりますが)。

④のルールがあるので、少しでも自信がないと感じたら躊躇なく△をつけました。

どうせ2周以上することになるので、1周目に△がたくさん付いていても気にしませんでした。

 

解説の際は、常に六法を開いていました。

関連する条文は(行政法の個別法を除き)すべて逐一確認していました。

この過程で条文を覚えることで、論文にも活きたと思います。

 

解説を読んでいて、何回も出てくるのに自分の理解が不十分だと思った判例、「そもそもこの単元のことよく理解していないな」と思ったものは、ノートに青ペンでメモをしました。

1日の短答が終わると、その日の夜や翌朝に青ペンについて基本書や判例をチェックしていました。

 

私は、そもそも短答に苦手意識があったので、短答は逃げずに取り組むことを心掛けました。

が、1日30問に設定した当初のノルマに対して、1問も解かない日も珍しくなく、そうこうしているうちに、1〜2科目を1周しただけで冬休みが終わってしまいました…

 

⑵ 論文対策

論文対策で自主ゼミを3〜4個組んでいました。

それぞれを週2で入れていましたが、時期に重複がなかったりして、リアルタイムで稼働していたのは3個だったように思います。

参考までに、ゼミで扱った問題と、(私も含めた)人数は以下のとおりです。

 

  • ゼミA(予備試験の過去問。4人)
  • ゼミB(刑法事例演習教材。4人)
  • ゼミC(ロープラ商法。2人)
  • ゼミD(予備試験の過去問。2人)

 

それぞれのゼミでメンバーが異なりますので、ゼミで扱う内容は、わがままですが、重複しないように希望していました。

Aでは刑実、民実、刑訴を、Dでは民事系をやっていました。

ABは毎回1題、CDは2題(Cは途中から3題)扱っていました。

 

ゼミは、事前に答案を共有しそれぞれが互いにコメントを付けて、ゼミ当日は「どう考えればよかったか」「何を書くべきか(書かないべきか)」「どう書けばよかったか(答案構成)」などを議論しました。

 

ゼミが終わると、自分の中で消化不良だった箇所や新たに疑問が沸いた箇所について、基本書等にあたっていました。

特に、元になっていた判例について理解が怪しい場合には、調査官解説や評釈も含めて、きちんと理解するように努めていました。

 

私は、判例等を理解した後に、付箋に「要するにこういうこと」というまとめを作成していました。

一覧性もありますし、自分の言葉で説明する力を養うことにもなります。

面倒ですが、この復習や自学の時間が最も勉強になったと感じます。

 

言い訳ですが、論文ゼミでやることが多かったために、私は短答がおろそかになっていたと思います。

ゼミで予備試験の過去問を扱う場合、それは論文対策ですから、当然短答はそれぞれが勝手に勉強して合格することが前提でした。

私は短答について危機感をもっていましたが、論文の勉強をしっかりやっていれば、短答もそれなりにカバーできるのだと、今となっては思います(商法がそうでした)。

 

2 (授業が始まってから)短答までの時期

 

⑴ 短答対策

冬休みと同じ要領で、『短パ』をひたすら解いていました。

授業が始まると時間がなくなりますが、合間の時間を上手く見つけて、まとまった時間が取れなくてもこまめに10問ずつなど解き進めるようにしていました(それでも到底終わらなさそうでしたが)。

 

私は短答にさえ通れば論文は模試だと思っていたのであまり気にしていなかったのですが、逆に短答に通らなければ受験料が無駄になるだけですので、この時期は特に短答をやっていました。

流石に雑誌を読んだりせず、いつも以上に短答の優先順位を上げて、必死に解いていました。

本来ならば、年明けから計画的に進めるべきだったと思います。

 

⑵ 論文対策

短答式試験の直前期までは、ゼミは継続していました。

短答に完全にシフトしてしまっては論文に間に合わなくなるおそれがあるためです。

直前期は、ゼミも休止してみんな各自短答の勉強に励んでいたと思います。

 

⑶ 直前期の過ごし方

授業に加えて、短答の勉強をずっとしていましたが、現実的に自分の理想とする進捗ではなかったので、「どの科目を、何周するか」を決めて、残り期間から1日あたりに進めるべき量を確定していました。

この段階で、憲・商・民訴はやらないことが決定します。

民法も1周しかしないことになりました(おかげで点数が悪かったです)。

残りは2周目を高速で回す(△と×の肢だけ解く)ことにしました。

 

3 論文までの時期

 

⑴ 論文対策

予備校の解答速報を参照しながら、短答に合格している可能性があると知ると(とてもギリギリのラインでした)、休止していたゼミを再開させることになりました。

 

⑵ 直前期の過ごし方

この時期はローの模擬裁判の準備がありました。

この準備は、先輩からちゃんとやった方がいいと教えていただいていたこともあって、結構がんばっていたので大変でした。

もっとも、特に刑事の模擬裁判は、実務基礎や口述でも活きてきたので、ここでの努力はむしろ正解だったように思います。

 

私は予備校の論証集を使っていませんでした。

自分で作る予定でしたが、なんとこの時期までに作ってもいませんでした。

結局、直前期はみんなが一元化教材を見直す中、自分は基本書や判例などを見て、そこに貼ってある付箋を参考に、過去の自分に感謝しながら頭の中で整理することをしていました。

 

⑶ 2日目までの過ごし方

模試感覚で挑んだ予備試験でしたが、実際に受験してみて、1日目にそれなりの手応えを感じると急に緊張してきました。

では、2日目に備えて1日目の夜に勉強したかというと、しませんでした。

「試験期間中は、いつもどおり過ごすのがよい」と聞いていたので、家に帰ってYouTubeを見て休んでいたら、もう寝る時間になったというのが正直なところです。

2日目の勉強は2日目の朝にがんばりました。

 

4 口述までの時期

 

⑴ 口述対策

論文式試験2日目の後、「なんとなく受かったような…でもこれでダメだったら本腰入れて本試験の勉強をしなきゃだめなぁ」などと考えていました。

その後すぐにローの期末試験があったので口述試験のことはとりあえず無視しました。

そのまま夏休みも終わり、結局本格的に勉強を始めたのは、論文の結果が発表された後でした。

 

伊藤塾の過去問集が欲しかったので模試に渋々応募しました。

ただ、模試には期待していなかったので(本当に過去問だけ手に入ればいいと思っていました。)、論文に合格していた自主ゼミのメンバーと毎日面接の練習をして過去問を潰しました。

 

ア 民事

要件事実は、基本的にローの授業の復習と『類型別』、「記載例集」を使っていました。

ローの授業は『類型別』をベースにしていたと思うので、両者は重なっていた印象です。

私は、要件事実が好きで普段から要件事実を意識して民法を勉強していたので、直前に焦らずに済みました。

 

口述の試験会場に行って思いましたが、受験生の99%は『大島本(上巻)』を読んでいました。

私が類型別を使った理由は、コンパクトで好きだったのと、先輩から「普段から大島本を使っているならまだしも、普段ローの授業で類型別を使っている人が、口述直前の2週間で大島本を無理して読む必要はない」と教えていただいたことに納得したからです。

大島本は、行間がないくらい丁寧に書かれている反面、知りたい情報を抽出して見るのには適していなかったと思います。

また、大島本はその分厚さから網羅性が売りでしたが、令和4年度の試験内容は2日とも載っていなかったようで(質権に基づく占有権原、用法遵守義務違反の賃貸借契約解除)来年度以降の受験生シェアは変わるかもしれません。

 

執行・保全は、過去問に出てきたものを覚えるようにしました。

条文はその都度しっかり引いて、過去問に出てきた限度で、その制度趣旨なども理解するように努めました。

手続法の出題論点は毎年ほぼ同じですが、民訴は念のため、普段あまり見ない「弁準」などにも直前に目を通しておきました。

令和4年度は、両日ともに民訴も執行・保全も出題されず、例年より難しめな要件事実が出題されただけで終わりました。

来年度以降、手続法の対策をどうするかは悩ましいと思います。

 

法曹倫理は出題論点が決まっているので、過去問で覚えることにしました。

私は、弁護士職務基本規定の条文を印刷したり、単語帳アプリを使ったりして、自分が思った論点が何条にあるのかを即答できるように練習していましたが、同じことをしている友人はいませんでした。

 

イ 刑事

民事に反して、私は刑事に苦手意識がありました(多くの人と逆な気がします。)。

特に刑法は、『事例演習教材』を解いていたにもかかわらず、一行問題に弱いことがわかり、非常に焦りました。

 

刑法は、『基本刑法(各論)』を読み込みました(総論は読んでいないです)。

私は「まあ、いいかなぁ」と油断していましたが、「やっぱり見なきゃいけない」と思い、前日に、最初から財産犯の部分までは隅々まで読み込みました(残りは時間切れでした)。

本当はもっと前から計画的に読み返しておくべきだったと思います。

このほか、定義を覚えることも重要と言われていたので、『アガルートの論証集』に付属されている定義集には目を通しました。

 

刑訴は『基本刑訴』を読みました。

『Ⅰ』も『Ⅱ』も両方読みましたが、こちらは読み込むほどではなかった気がします。

何よりも大事なのは条文だと考えていたので、ひたすら条文を読んでマークすることに時間を使いました。

手続の流れを、「刑事訴訟法」だけでなく「刑事訴訟規則」(憲法77Ⅰに基づく最高裁規則で、法務省令=施行規則ではないのは知っていましたか?)も含めて徹底的に叩き込みました。

逮捕状の緊急執行の流れ、公判前整理手続の流れ、証人尋問の流れあたりは頻出だったので、重点的に覚えました。

後二者については、ローでの模擬裁判がとても役立ったと感じました。

 

法曹倫理は民事と刑事とで分けて勉強するものではないので、同じように過去問で出題された条文を覚えていました(もっとも、本番ではノーマークの条文が出て、わからなかったのですが…)。

 

⑵ 直前期の過ごし方

論文の合格発表を見たときに、まさか本当に受かっているとは…という衝撃の方が大きかったです。

ゼミの友だちも受かっていたので、それがわかると一緒に対策をして、上述のとおりに共学・自学の勉強をしました。

 

模試感覚で始めていましたが、口述前は流石に緊張しました。

口述試験の合格率は98%あって、試験内容的にも受験生のレベル的にもロー3年生の自分は有利だろうとポジティブに考えていましたが、それでも緊張はしました。

 

普段の友だちとの過去問練習のほか、伊藤塾の模試と、前年の予備試験の合格した先輩2名にも面接の練習をしていただきました。

この期間は、ほとんどローのことは考えられないくらいにはなっていて(実際は考えざるを得ないわけですが)、とにかく早く寝ることだけを意識しました。

 

なお、試験はホテルに宿泊せず自宅から行きました。

ホテルに泊まっている友だちもいましたが、その場合は早くから予約が必要だそうです。

私は、近くで宿泊するよりも朝起きられなくなる方が心配だったので、実家を選択しました。

 

⑶ 2日目までの過ごし方

私は両日とも午前の試験だったのですが、苦手な刑事が1日目、民事は2日目でした。

私は民事と刑事とで得意度に大きな差があったので、1日目を乗り越えた時点でかなり安心していました。

論文のときと同様に、1日目の午後はほとんど勉強しませんでした(民訴の条文を見たくらいです)。

 

勉強は2日目の朝にすることにしました。

私の2日目は、午前中の中では最後の順番だったので(この順番は会場で受付時にその日に知らされます)、待ち時間に2〜3時間勉強する時間がありました。

この時間を頼りに構成することはよくないですが、会場に行ってから全く勉強できないわけではないです。

 

第5 合格後について

 

1 合格時の気持ち

「嬉しい」よりも「安心した」の方が大きかったです。

口述試験の手応えからしても大丈夫だろうとは思っていましたが、自分の番号を見つけてホッとしました。

 

私は、模試感覚で予備試験に出願し、通ってしまったという思いがあったので、先輩や同期がずっとチャレンジしていた「あの」予備試験と、自分が受かった「この」予備試験が同一であるとの感覚が今でもあまりありません。

 

2 今後の抱負

まずは令和5年度の司法試験に合格することです。

せっかくの機会なので、なるべく上位で受かりたいなぁなどと皮算用が捗っているところです。しっかり勉強します。

 

予備試験も司法試験も法曹になるための通過点にすぎず、そして法曹になることすらも手段であって目的ではないと思います。

ひとまず法曹になることを目指している以上、司法試験からは逃れられませんが、目的と手段を履き違えず、真に進むべき方向へ行きたいと思います。

 

3 その他

 

⑴ 来年度以降の予備試験(在学中受験との関係)

令和5年度以降は、在学中受験ができるようになるので、予備試験を受験するのはロー2年生が最後のチャンスになると思います。

早期合格を目指すならば学部4年生までに、予備試験に合格しなければなりません。

合格するためには、その前の年までに、予備試験にある程度太刀打ちできる実力を備える必要があるため、合格・早期合格はともにハードルが上がると思います。

 

私は、ロー3年生の時に予備試験に合格しましたが、いつの時点で受験するかによって難易度は大きく変わると思います。

同じ試験ですが、学部3年生が合格するのとロー3年生が合格するのとでは、その意味も大きく異なります。

 

来年度からは、ロー生の予備試験受験生が大幅に減ると考えられるので、学部生や社会人にとってはありがたい話かもしれないですが、短期学習者にとって難しい試験であることに変わりはないので、ぜひ奮闘していただければと思います。

 

⑵ 予備試験かロースクールか

予備試験の対策は司法試験にも通じるところがあるので無駄ではないですが、合格のために闇雲に勉強することはまた別だと思います。

先述のとおり、予備試験の対象学年が事実上繰り下げられたので、現実路線として合格することができるかを見極める必要があるからです。

司法試験の合格が最終目標であれば、ロースクールに進学することも十分に考えられます。

実際にそのような社会人出身者にローで出会いました。

 

予備試験合格者の司法試験合格率は、どのロースクールよりも高いことで有名ですが、その数字だけに惑わされてはならないと思います。

そもそも、予備試験の合格率が3〜4%なので、母数から考えると確率はとても低くなるからです。

 

実は、ロースクール経由の方が、入学倍率と司法試験合格率を考えたときに、トータルで合格しやすいのではないかとすら思えます。

特に既修1回目の司法試験合格率を見ると、どのロースクールも比較的高いです。

私が贔屓目に見ている部分もあるとは思いますが、客観的数値からしても、予備試験経由よりもロースクール経由の方が、司法試験の合格は現実的であるように思えます。

 

もっとも、これは、予備試験かロースクールかで悩んでいる人に向けたメッセージにすぎません。

予備試験には、「司法試験の受験資格を得ること」以上の価値があると思いますので、それを目指す人にはぜひがんばっていただきたいと思います。

 

おわりに

最後までお読みいただきありがとうございました。

冒頭の繰り返しになりますが、あくまでこれは一例にすぎませんので、参考程度に留めておいてください。

私よりももっと効率的に短期で合格する人はたくさんいますので、自分の目標に合った体験記を参考にするとよいと思います。