LEC東京リーガルマインドは、全国に展開する大手の予備校です。
司法試験・予備試験講座も提供しており、初学者と学習経験者いずれにも人気があります。
法律予備校の代名詞ともいえる資格予備校の伊藤塾や口コミで評判のアガルートのシェア拡大により、一時期と比較すると人気に陰りが見られ始めています。
この記事では、LEC東京リーガルマインドの司法試験・予備試験講座の口コミ評判を紹介します。
LECの評判・良い口コミ|司法試験予備試験講座
LECの予備試験講座には、次のような良い口コミ評判があります。
- 講義が初学者にも分かりやすい
- 大手予備校という安心感がある
- 全国各地に校舎があるので通いやすい
LECの評判・よい口コミ①:講義が初学者にも分かりやすい
LEC予備試験の講義は、長年の講座運営歴の中で培われたノウハウと、現講師陣の工夫がミックスされた質の高さが魅力です。
かつてのLECには、資格スクエアの鬼頭先生や高野先生、アガルート代表の工藤先生など予備試験講座の有名講師が在籍していました。
現在は彼らの多くが移籍・独立していますが、ノウハウはLECに蓄積されています。
そのノウハウを田中正人先生や矢島純一先生など現在の看板講師がノウハウを引き継ぎ、独自のアレンジを加えて講義を実践しているので、どの講義も安定した質の高さがあります。
LEC予備試験講座の講師
LECの人気講師陣は3人です。
- 武山茂樹
- 赤城真也
- 田中正人
7人の専任講師が予備試験講座を担当しています。
武山クラス、赤木クラス、田中クラスを担当される3講師や、ヤマ当て講座で有名な矢島講師など有名講師が多数在籍しており、LECのノウハウを踏まえつつ持ち味を活かした講義を展開されているのが特徴的です。
講師数では伊藤塾の予備試験講座には及びませんが、講師一人ひとりが一定の人気を保っています。
LECの評判・よい口コミ②:大手予備校という安心感がある
LECは、全国に展開している国内最大級の予備校です。
知名度は予備校の中でトップレベルで、利用したことはなくても名前くらいは知っているという人が多くなっています。
そのため、LECの講座を受講すると、「合格できそうだ」という安心感を持って勉強できます。
予備試験の勉強を最後まで続けるうえで、安心感というのは重要な要素です。
勉強で行き詰まったり、模試で良い点が取れなかったりするとモチベーションが下がりますが、安心感があると早く立ち直ることができるからです。
同じレベルのカリキュラムや講義でも、提供している予備校の知名度や実績によって安心感はまるで違います。
有名予備校のLECの講座を受講することで得られる安心感は、とても高いと言えるでしょう。
LECの評判・よい口コミ③:全国各地に校舎があるので通いやすい
LECの強みの一つが、全国に校舎があることです。
全国に合計53校あり、他の予備校と比較すると地方在住者でも通学しやすくなっています。
オンラインで受講できる通信講座の人気が高まっている現在は、全国に校舎があることのメリットは薄れつつあります。
ただし、オンライン学習が肌に合わず通学したい人にとってはありがたい環境です。
LECの評判・悪い口コミ|司法試験予備試験講座
LEC予備試験講座の気になる口コミ評判は次のとおりです。
- オンライン講座のレベルが今一つ
- 近年の合格実績が分からない
- 講座費用が高い
LECの悪い評判①:オンライン講座のレベルが今一つ
LECは、Web通信講座を開講していますが、オンライン予備校と比べてレベルが低いという指摘があります。
通学生向け講義の録画なので講義内容のレベルは高いのですが、課題なのがシステムです。
講義の録画がオンラインで視聴できるだけで、これといった学習サポート機能がありません。
資格スクエアの予備試験講座の講義画面と比較すると違いがよく分かります。
資格スクエアの講義画面にはオンラインレジュメが表示されており、自由にマーカー引きや書き込みができるようになっています。
また、講義中に質問できるフォームや単語登録フォームも設置されており、オンラインだけで学習することが可能です。
一方のLECの講義画面は、往年のWindowsメディアプレーヤーを彷彿とさせる簡素なインターフェースです。
講義のオンライン視聴はできますが、倍速以外に目立った機能がありません。
テキストも、製本版を使う必要があります。
オンライン予備校の講義を視聴した後にLECの講義を視聴すると、画質や音質の低さも気になります。
講義内容はレベルが高いので、モッタイナイところです。
LECの学習サポートシステム
LECには、受講生専用のインターネットフォローサービスがあります。
- 教えてチューター:講義や教材に関する質問、学習相談などができる
- 教えてメイト:受講生同士で相談や質問、交流ができる
- 進捗率チェック:各講座の受講具合をチェックできる
- カレンダー:やることリストやカウントダウンを登録・チェックできる
- カウントダウン:目標設定までのカウントダウンを設定できる
基本コースを受講すれば追加料金なしで利用できます。
オンライン予備校のシステムと比較すると簡素ですが、最低限の機能はそろっていると言えます。
LECの悪い評判②:近年の合格実績が分からない
LECは、受講者の司法試験の合格実績5134人を公表していますが、実は1993年から2018年までの合格者の総数で、単年度の合格実績は公表されていません。
単年度の実績を公表する予備校が多いので、「近年の合格実績が知りたい」「最近は合格者が少ないのではないか」という口コミが多いです。
また、「過去分を足して近年の合格実績が悪いのを隠している気がする」という口コミも少なくありません。
加えて、旧司法試験の合格者が含まれていたり、講座申込から7年以内の司法試験に合格した人を含んだりと集計方法も他講座の合格実績とは異なります。
そのため、公表されている数値だけを見て、「合格実績がある」とは言い切れません。
「近年のLECは法律系資格への力の入れ具合が低くなっている」という指摘もあります。
工藤先生(アガルート代表)などの人気講師が相次いで移籍や独立した影響で、LECの予備試験講座には全盛期のような勢いがないのは確かです。
ただし、長年蓄積されたノウハウを現講師陣がうまく活用しており、一定の質は保たれているといえます。
LECの悪い評判③:講座費用が高い
講座価格の高さも、LECの課題として指摘されています。
予備校 | 税込価格(割引価格) | 分割払い |
---|---|---|
LEC | 1,062,870円~ | 有(最大36回) |
伊藤塾 | 1,182,700円~ | 有(最大60回) |
アガルート | 【2022年版】 768,460円 【2023年版】 932,800円 | 有(最大60回) 12回払いまで手数料0円 |
辰已法律研究所 | 835,300円 | 有(最大60回) |
Wセミナー | 439,000円~ | 有(最大36回) |
加藤ゼミナール | 657,800円 | 有(最大24回) |
資格スクエア | 759,000円 | 有 |
スタディング | 128,000円 | 有(最大36回) |
例えば、アガルートとLECの基本コースでは、20万円以上も差があります。
アガルートは講師によるサポート体制が非常に手厚く、答練・添削やカウンセリングなど一通りのサービスもそろっているため、LECと比較するとコスパの良さが際立っています。
LECの司法試験・予備試験講座の費用は、予備校と比較すると平均的ですが、オンライン予備校と比較すると高めです。
大手ならではの充実したカリキュラムは魅力ですが、近年はオンライン予備校の質が急激に高まり、差は確実に縮まっています。
そのため、「価格差に見合うだけの差別化ができているのか」と疑問を抱く人も少なくありません。
割引制度
LECの予備試験講座には、各種割引制度があります。
利用すれば数万円単位で割引されるので、定価で購入するよりお得です。
割引 | 対象講座・対象者 | 割引率(割引額) |
---|---|---|
期間限定割引 | 入門講座7科目一括を含むコース | 最大2~4万円 |
社会人割引 | 入門講座7科目一括を含むコース | 15% |
特別奨学生試験制度 | 入門講座7科目一括を含むコース | 最大15万円 |
無料公開講座参加者割引 | ・無料公開講座・無料体験会に参加し、当日対象コースを本申込した人 ・無料公開講座・無料体験会へ参加後、当日対象コースを予約または期限内に本申込した人 ・入門講座7科目一括など | 最大2万円 |
再受講割引 | ・LEC入門講座か他校の入門講座を過去に6科目以上受講した人 ・入門講座7科目一括を含むコース | 40% |
高校生割引 | ・申し込み時点で高校生の人 ・入門講座7科目一括を含むコース | 20% |
他資格合格者割引 | ・以下のいずれかの試験に合格している人 司法書士試験・弁理士試験・公認会計士試験・行政書士試験 ・入門講座7科目一括を含むコース | 20% |
条件が細かく設定されている割引制度もあるので、まずは公式サイトをチェックしてください。
合格特典
LECの予備試験講座には2つの合格特典があります。
受講料はいったん全額支払う必要がありますが、合格すれば一部または全額がキャッシュバックされるので、合格すればトータルではお得です。
合格特典 | 対象講座 | 特典内容 |
---|---|---|
受講料返還制度 | ・1.5年合格コース ・2年合格コース ・1年スピードマスターコース | 50万円 |
受講料全額返金制度 | ・予備試験1年合格専用コース(通学) | 全額返金 |
全額返金については1年合格専用コース(通学)限定ですが、講座費用が全額キャッシュバックされる衝撃的な特典です。
合格体験記の提出など条件があるので、公式サイトでチェックしてください。
LEC東京リーガルマインドの司法試験・予備試験講座の特徴
LEC東京リーガルマインド(LEC)は、幅広い資格試験の対策講座を提供している大手予備校です。
司法試験・予備試験を含む法律系、公認会計士などの会計系、宅建士などの不動産系、公務員試験対策など多くの講座を取り扱っています。
全国各地に校舎があり、地方在住でも通学で受講できる人が多いのも特徴です。
LECの司法試験・予備試験講座は、大手ならではの充実したカリキュラムと安定した講義に定評があります。
「LECで勉強すれば合格できそう」という安心感を求める人には、LECは有力な選択肢の一つです。
ただし、「近年は司法試験講座への力の入れ具合が下がったのではないか。」と指摘する口コミも見られます。
LECの初学者向け予備試験講座の一覧
LECの初学者向け予備試験講座は次のとおりです。
講座名 | 税込価格 |
---|---|
2年合格コース | 1,102,870円 |
1.5年合格コース | 1,120,000円~ |
1年合格コース | 1,150,000円 |
1年スピードマスターコース | 1,008,150円 |
初学者向きなのは、「予備試験・法科大学院共通2年合格コース」です。
通学コースとWeb通信コースがありますが、働きながら合格を目指すなら通信コースが向いています。
1年合格専用コースやスピードマスターコースは短期間で合格を目指せるプランです。
でも、学生と比較して学習時間を確保しにくい社会人にはハードルが高くなっています。
よほど仕事の融通が利き家庭の理解があれば別ですが、働きながら合格を目指すなら2年合格コースが無難です。
LECの学習経験者向け予備試験講座の一覧
LECには学習経験者向けコースも複数あり、学習レベルに応じて選択できます。
講座名 | 税込価格 |
---|---|
予備試験対策フルコース | 561,000円~ |
予備試験論文対策コース | 353,100円~ |
予備試験対策インプットコース | 326,700円~ |
学習経験を活かしつつ、総合的に予備試験対策をしたいなら「予備試験対策フルコース」が向いています。
それ以外は、インプットを重視するのか、アウトプットを重視するのかで講座を選びます。
詳しい講座情報は、LEC公式サイトを確認してください。
田中正人先生のZoom講義
LECの専任講師である田中正人先生が実践しているZoomを使った生配信が注目を集めています。
例えば、2020年8月には、司法試験・予備試験過去問(憲法・民法・刑法)を10問1セットにして、時間の限り解答・集計・講評を繰り返すというイベントが開催されました。
ZOOMの投票機能を使ってリアルタイムで一問一答を実施しており、参加型の双方向イベントとして楽しむこともできます。
通信コースでは講師と受講生の双方向のやりとりがほぼないので、画期的なスタイルです。
現在は、このご時世もあってLECでもオンラインに力を入れており、ZOOM講義も少しずつ増えてきています。
オンライン予備校ではウェブ上で対面カウンセリングが実施されるコースがありますが、講義でも双方向のやりとりができれば、受講生のモチベーションも維持しやすくなります。
現時点では試みの段階ですが、もっと広く展開されることに期待です。
現在はオンライン予備校に押されがちですが、オンライン学習システムが補強されれば再びLEC全盛期が来る可能性は十分にあります。
講座の質
LECの司法試験・予備試験講座には合計9名の講師が在籍していますが、通信コースを担当するのは半数程度です。
人気講師は、ZOOM講義で知られる田中正人先生。
重要ポイントを的確に押さえた無駄のない講義と、受験生目線でつまづきどころをカバーする説明が人気です。
LECのテキストは、網羅性とコンパクトさの中間です。
伊藤塾ほど分厚くなく、オンライン予備校より充実した内容となっています。
図表を使った説明が多く、専門用語も丁寧に説明してあり、初学者を意識した作りが特徴です。
講義は、板書や書画カメラを用いた資料の表示+講師の説明というスタイルです。
通学コースでは臨場感がありますが、通信コースだと画質・音質が良くありません。
また、1講義が180分と長いので、まとまった時間がないと視聴しにくいのもネックです。
LECは、スマホ学習向けのS式講座をリリースしています。
スマホ一つで学習できて、視聴性・操作性ともに快適なので、「司法試験の勉強を始めてみたい」という人に人気です。
でも、合格コースと比較するとカリキュラムのボリュームがなく、それだけで合格するのは難しいでしょう。
LECのカリキュラムは、2年で合格に必要な実力を身につけられるように組んであります。
1年目は、入門講座でインプットしながら論文基礎力養成講座でアウトプットし、覚えたことを効率的に定着させます。
2年目は論文式対策が中心になりますが、やはりインプットとアウトプットを繰り返す内容です。
LECの予備試験講座が向いている人と向いていない人
LECの予備試験講座が向いているのは、次のような人です。
- 通学で予備試験の勉強がしたい人
- じっくりと時間をかけて合格する力をつけたい人
- 有名予備校で勉強しているという安心感が欲しい人
LECの通信講座はオンライン予備校と比べて講義の画質や音質、サポート機能が今一つなので、受講するなら通学です。
通学講座では、長年の運営実績とノウハウが詰まった質の高い講義を受けることができます。
合計700時間にも及ぶ講義で学習すれば、じっくりと着実に合格力が身につきます。
また、有名予備校で勉強しているという安心感を得ながら勉強したい人にもおすすめです。
こんな人には向いていない
一方で、次のような人にはLECの予備試験講座は向きません。
- 忙しくて通学する時間がない人
- 効率的に学習して短期合格を狙いたい人
- 近くにLECの校舎がない人
LECの講座は、伊藤塾ほどではありませんが受講時間が長く、忙しくてまとまった勉強時間を確保しにくい人には向きません。
また、学習の効率性を重視する人は、効率を重視したカリキュラムを組んでいるアガルートなどの通信講座が向いています。
LECの校舎が近くにない人も、他の通信講座を受講することをおすすめします。
LECの通信コースがオンライン予備校並みの性能を備えれば有力な選択肢になりますが、現時点では、オンライン予備校を差し置いてLECの通信コースを選ぶメリットは見当たりません。
LECの評判・口コミまとめ
口コミ評判を踏まえて、LECの予備試験講座のメリット・デメリットをまとめました。
- 講義が初学者にも分かりやすい
- 大手予備校という安心感がある
- 全国各地に校舎があるので通いやすい
- オンライン講座のレベルが今一つ
- 近年の合格実績が分からない
- 講座費用が高い
ただし、予備試験講座選びで最も重要なのは、自分の学習スタイルに合った講座を選ぶことです。
いくら口コミ評判が良くても自分に合わないと学習効率は上がりません。
そのため、まずは自分で公式サイトにアクセスし、無料講義を視聴したりテキストを閲覧したりして、自分に合うかどうかチェックしてみてください。
なお、働きながら合格を目指すなら、オンライン予備校のアガルートが選択肢に入ります。
通信講座ながら、予備校以上に質の高い講座とサポートを備えており、合格実績も伸び続けています。
短期間で一発合格を目指したいなら、アガルートアカデミーなどの通信講座が選択肢に入ります。
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