土地家屋調査士に独学で合格するには1000~1500時間は必要と言われており、予備校を利用して合格を目指すのが一般的です。
「土地家屋調査士の予備校といえば東京法経学院」と言われていましたが、大手予備校のLECや通信講座のアガルートが参入して選択肢が増えました。
その結果、「どこを選べばよいか分からない」という人が増えているのが現状です。
この記事では、土地家屋調査士の予備校・通信講座3校を比較します。
\利用者合格率36.76%の予備校/
土地家屋調査士の予備校おすすめ3校の評判は?
この記事で比較する土地家屋調査士試験の予備校・通信講座は、次の3つです。
- 東京法経学院
- LEC東京リーガルマインド
- アガルートアカデミー
東京法経学院|土地家屋調査士講座の老舗
東京法経学院は、難関資格試験や公務員試験の対策講座を開講している予備校です。
毎年、土地家屋調査士試験の合格者の半数近くを東京法経学院の受講生が占有するという驚異的な実績があります。
1967年の講座開設から蓄積してきたノウハウを活かした網羅的な講義やテキストは、初学者から学習経験者まで幅広い人気を誇ります。
土地家屋調査士試験は他の士業資格と比較して受験者数が少なく、参入する予備校があまりないという事情もあって一人勝ちの状態を続けてきました。
ただし、LECの参入によって2強体制となり、アガルートの参入によってさらに寡占状態に変化が生じています。
メリット | 圧倒的な合格実績 50年以上の運営実績 網羅的なカリキュラム |
デメリット | 効率性が課題 オンラインがイマイチ 通信のサポート体制が不十分 |
アガルートアカデミー|2年連続1位合格者輩出
アガルートアカデミーは、元LEC講師の工藤北斗(岩崎北斗)先生が代表を務めるオンライン予備校(通信講座)です。
司法試験・予備試験などの難関資格試験の対策講座を中心に開講しているのですが、数年前に土地家屋調査士講座も開講されました。
毎年全国平均を大きく上回る合格率を叩き出し、2021年、2022年と2年連続で1位合格者を輩出するなど、今もっとも注目を集めている予備校です。
新しい講座なので不安視する人もいますが、講義やテキストの質の高さが口コミで評判になり、受講を検討する受験生も増えています。
価格が大手より安いのに個別サポートは充実していますし、効率に特化したカリキュラムが組まれているので、学習コストを抑えたい人や効率的に学習したい人に人気です。
メリット | 合格率が高い サポートが手厚い 価格がリーズナブル |
デメリット | 講座が新しい オプションが高い 講座が多くて選ぶのが大変 |
詳細は、アガルート土地家屋調査士の評判は?にまとめています。
LEC東京リーガルマインド|大手予備校の安心感
LEC東京リーガルマインドは、資格試験の対策講座を全国各地で展開している大手予備校です。
全国に校舎があり、法律系資格や公務員試験など幅広い講座を開講しています。
LECの土地家屋調査士講座は、口述試験の指導や答案の添削指導まで手厚くしてもらえるところが魅力です。
一方で、合格実績を公表しておらず、東京法経学院と比べて信頼性に疑問を抱く人もいます。
また、オンライン学習システムも発展途上です。
メリット | 口述試験の指導を受けられる 答案の添削指導を受けられる 大手予備校の安心感がある |
デメリット | 最新の実績が不明 オンラインが課題 カリキュラムが網羅的 |
土地家屋調査士の予備校比較(通信講座含む3校)
土地家屋調査士試験の予備校・通信講座を6つの基準で比較していきます。
土地家屋調査士講座を比較する基準
土地家屋調査士講座を6つの基準で比較します。
- 価格・料金:予備試験予備校の料金・費用
- 運営会社:会社の事業・経営状態など
- 合格実績:過去の受講生の合格者数や合格率
- 講座の質:講師、教材、講義、カリキュラムの質
- オンライン:オンライン学習の利便性
- サポート:受講生フォローの内容
公式サイトに掲載されている情報もありますが、講座ごとに掲載場所や表示が異なります。
そこで、6つの基準で各サイトの情報をまとめました。
土地家屋調査士の予備校比較①:価格・料金
予備校 | 税込価格 |
---|---|
アガルート | 305,800円 |
東京法経学院 | 380,600円 |
LEC | 320,100円 |
価格が安いのは、通信講座のアガルートです。
東京法経学院と比較すると約8万円も差があるうえ、講座費用の全額キャッシュバック又はお祝い金の特典も豪華です。
10~30%OFFの割引セールもよく開催されており、期間中はお得に購入することができます。
東京法経学院も、合格すると講座費用が全額キャッシュバックされる特典がありますが、アガルートの特典と比較すると物足りなさがあります。
LECの土地家屋調査士合格コースは教育訓練給付金制度の対象です。
一定条件を満たして講座を修了すれば、講座費用の20%が給付金としてハローワークから支給されるので、実質320,100円-64020円=256,080円で受講できます。
土地家屋調査士の予備校比較②:運営会社
予備校 | 運営会社 |
---|---|
アガルート | 株式会社アガルート |
東京法経学院 | 株式会社東京法経学院 |
LEC | 株式会社東京リーガルマインド |
事業規模が最も大きいのはLECを運営する株式会社東京リーガルマインドです。
経営状態も問題は見当たりません。
東京法経学院を運営する株式会社東京法経学院やアガルートを運営する株式会社アガルートは、事業規模ではLECに劣りますが、経営状態に問題はありません。
特にアガルートは、開講から10年足らずで受講者数を大幅に伸ばしており、新規に転職事業を立ち上げるなど好調を維持しています。
土地家屋調査士の予備校比較③:合格率、合格者数
予備校 | 合格実績 |
---|---|
アガルート | 全体合格率:36.76% (全国平均 3.51倍) 初学者の一発合格率:28.46% (全国平均 2.72倍) |
東京法経学院 | 合格者数:318名 合格占有率:78.7% |
LEC | 非公表 |
合格実績が優秀なのは東京法経学院です。
2021年度試験では、合格者404名中318名が東京法経学院の出身者という圧倒的な実績を叩き出しています。
2011年以降は徐々に合格者数を減らしていましたが、2020年に盛り返したかたちです。
アガルートは、2021年度試験における受講生の合格率が、全国平均の3.51倍にあたる36.76%だったと公開しています。
学習未経験者の一発合格率だけでも28.46%(全国平均 2.72倍)と高く、初学者から経験者まで幅広い層の満足度が高い講座となっています。
また、2021年、2022年と2年連続で土地家屋調査士試験の1位合格者を輩出し、高い注目を集めています。
一方で、LECの土地家屋調査士講座は、合格実績を公表していません。
2016年~2018年までの3年間は筆記試験総合1位合格者を輩出していましたが、その後の実績は不明です。
合格体験記には複数の合格者の感想が掲載されているので、合格者を輩出していることは間違いありませんが、信頼性という点で不安は残ります。
土地家屋調査士の予備校比較④:講座の質
予備校 | 人気講師 | 講師数 |
---|---|---|
アガルート | 中山祐介 | 5名 |
東京法経学院 | 内堀博夫 | 24名 |
LEC | 木村真弓 | 10名 |
講師層が厚いのは東京法経学院です。
人気講師の内堀先生を含む24名もの講師が全国の予備校に在籍しており、専門知識を活かした講義を実践しています。
通信講座に登壇するのは内堀先生で、講師としての実績も説明の分かりやすさも抜群です。
LECは、人気講師の木村先生や岡崎先生が通信講座を担当しています。
人気講師の移籍や独立が相次いでいるLECですが、講師層は依然として厚いです。
アガルートの人気講師は、元LEC講師の中山先生です。
平成24年度試験の全国総合1位合格者で、初学者にも分かりやすい講義には定評があります。
テキストも講師の手作りで、講義との連動性の高さが人気です。
予備校 | テキスト | 問題集 |
---|---|---|
アガルート | オリジナル フルカラー 冊子 | オリジナル 冊子 |
東京法経学院 | オリジナル 白黒 冊子 | オリジナル 冊子 |
LEC | オリジナル 白黒 冊子 | オリジナル 冊子 |
教材が優秀なのは東京法経学院です。
50年以上の指導実績で蓄積されたノウハウと最新の試験の傾向分析をミックスしたテキストは、合格に必要な情報が網羅的に掲載されています。
合格ノート(択一対策)と書式攻略ノート(書式対策)は受講者しか入手できないレアな教材ですが、白黒なのがネックです。
LECの教材は、長年蓄積されたノウハウを詰め込んだ網羅的な内容です。
大手予備校だけあってテキストも問題集も質は高く、独学の受験生にも購入されています。
ただし、白黒なので見にくさが気になります。
アガルートのテキストは、担当講師が講義に合わせて自作しています。
フルカラーで図表をたくさん使った分かりやすさに定評があり、初学者を中心に人気です。
東京法経学院とは対照的に、合格に必要な情報だけが厳選して掲載してあるので、効率的に知識を身につけることができます。
予備校 | 1講義の時間 |
---|---|
アガルート | 30分 |
東京法経学院 | 150分 |
LEC | 150分 |
働きながら通信講座で勉強するときに重要になるのが、講義の内容と時間です。
アガルートは通信講座専門の予備校なので、当然ですが通信講座用に講義を収録しています。
また、社会人など忙しい人を意識しているので1講義が30分程度と短く、スキマ時間でも無理なく学習が可能です。
例えば、通勤電車の中や休憩時間でも1講義視聴できます。
東京法経学院とLECはいずれも、通学コースの講義を録画した内容をオンラインで視聴します。
画質・音質ともに良いとは言えませんし、講師も通学コースの受講生に向けて話しているので傍観者感が否めません。
講義時間が長いので、スキマ時間に勉強するハードルも高めです。
予備校 | カリキュラム |
---|---|
アガルート | 約130時間 |
東京法経学院 | 約130時間 |
LEC | 約170時間 |
LECのカリキュラムは、インプットに151時間もかけており、アウトプットの時間がとても短いのが特徴です。
土地家屋調査士試験は覚えることが多いのは事実ですが、インプットに偏りすぎな感じが否めません。
初学者であっても、東京法経学院やアガルート程度のインプット時間があれば十分といえます。
アウトプットは、東京法経学院が68時間と圧倒的に長いですが、申し込んだ時期によってアウトプットの時間は増減します。
余裕をもって申し込めば68時間全て受講できますが、試験の約半年前に申し込むと20時間前後です。
土地家屋調査士試験で特に重要になるのが書式問題です。
この点、東京法経学院は書式問題の演習時間が豊富に確保されています。
また、アガルートも約24時間の解析講座があり、LECよりも充実した内容です。
土地家屋調査士の予備校比較⑤:オンライン
予備校 | 講義形式 | 学習システム |
---|---|---|
アガルート | テキスト表示 講師の説明 | マルチデバイス対応:有 オンラインテキスト:有 問題演習:無 音声ダウンロード:有 |
東京法経学院 | テキスト表示 講師の説明 | マルチデバイス対応:有 オンラインテキスト:無 問題演習:無 音声ダウンロード:有 |
LEC | テキスト表示 講師の説明 | マルチデバイス対応:有 オンラインテキスト:無し 問題演習:無 音声ダウンロード:有 |
オンラインが優秀なのは通信講座のアガルートです。
講義はWeb上でストリーミング再生されて講義画面とWebテキストが同時に表示されるので、端末さえあれば手ぶらで視聴できます。
また、音声ダウンロードが無料で利用できるので、オフライン環境でも「講義を聴く」ことが可能です。
東京法経学院とLECは、通学コース向け講義の録画を視聴するスタイルで、Webテキストは画面に表示されません。
そのため、冊子版のテキストを持ち歩く必要があります。
土地家屋調査士の予備校比較⑥:サポート
予備校 | サポート |
---|---|
アガルート | 質問サポート:有 学習サポート:有 定期サポート:有 |
東京法経学院 | 質問サポート:有 学習サポート:有 定期サポート:無 |
LEC | 質問サポート:有 学習サポート:無 定期サポート:無 |
サポート体制が優秀なのはアガルートです。
アガルートの土地家屋調査士講座では、受講生限定Facebookグループで回数制限なしに質問でき、他の受講生の質問や回答もQ&Aのように閲覧可能です。
学習の悩みや進め方、進捗管理など何でも講師に相談できるので安心して学習を進められます。
また、定期カウンセリングを利用すれば、月1回、各30分程度、講師によるカウンセリングも受けられます。
現役講師と電話で直に話して学習上の悩みや不安を相談できるサポートで、「通信講座は講師との距離が遠い」という課題を吹き飛ばす画期的なものです。
また、アガルート講師が受講生アンケートに基づいて月1回配信している動画コンテンツ「ホームルーム」も注目です。
東京法経学院やLECも通学コースでは似たサポートを受けることができますが、通信講座では実施していません。
土地家屋調査士は通信講座で合格できるか?
この記事で紹介した東京法経学院、LEC、アガルートの通信講座なら、働きながら勉強して合格することは十分可能です。
東京法経学院やLECの通信講座はおすすめか
東京法経学院とLECは、土地家屋調査士講座のある予備校の2強です。
予備校に通学できるなら、2校のいずれかを受講するのが合格への近道であることは間違いありません。
でも、通信講座となると少し事情が変わります。
看板講師による質の高い講義やテキストは通学コースと同じように利用できますし、「この予備校なら大丈夫」という安心感も得られるでしょう。
一方で、オンライン学習システムは通信講座専門のアガルートには及ばず、サポート体制も通学コースと比べるとどうしても見劣りします。
講義動画は通学コース向け講義の録画なので、「自分に向けて講義してもらってない」という感想を抱く人もいるようです。
高い費用を出して受講する価値があるかといえば、通学コースほどおすすめはできません。
土地家屋調査士の通信講座を選ぶメリット・デメリット
働きながら土地家屋調査士試験の合格を目指すなら、通信講座の利用が向いています。
通信講座のメリットとデメリットは次のとおりです。
メリット | ・講座価格が安い ・いつでもどこでも学習できる ・スキマ時間に学習して合格を目指せる |
デメリット | ・スケジュールやモチベーション管理が難しい |
通信講座のメリットは、「安い」「時間と場所を選ばない」「スキマ時間に学習できる」の3つです。
一方でデメリットは、独学が苦手な人は挫折するリスクがあることでしょう。
この点、アガルートならオプションで講師の定期カウンセリングを受けられるので、モチベーションを維持しながら学習を続けやすいです。
土地家屋調査士予備校の比較まとめ
土地家屋調査士試験の通信講座・予備校3校を比較しました。
予備校に通学できるなら東京法経学院が有力な選択肢ですが、通信ならアガルートも有力な選択肢に入ります。
そして、1000~1500時間は勉強が必要と言われている土地家屋調査士試験に働きながらチャレンジするなら、コスパや勉強方法の点から通信講座を選ぶメリットは大きいです。
- 東京法経学院:高い合格実績と長年蓄積されたノウハウで学習したい人
- LEC:大手予備校の安心感が得られる講座を受講したい人
- アガルート:低コストでスキマ時間に学習して短期合格を目指したい人
通学で勉強するなら、過去の実績と蓄積されたノウハウが魅力の東京法経学院が向いています。
一方で、自宅学習で短期合格を目指すなら、高い合格率と使い勝手の良いオンライン学習システム、講師の手厚いサポートのあるアガルートが有力な選択肢です。
無料受講相談を受けておくと、自分に合うかどうかチェックした上で選択できます。
\利用者合格率36.76%の予備校/
コメント