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社労士と行政書士を比較|どっちの難易度や年収が高い?ダブルライセンスのメリットは?

社労士と行政書士を比較

スキルアップや就職・転職のために資格取得を目指す人に人気なのが社労士(社会保険労務士)と行政書士。

司法試験・予備試験ほどハードルが高くなくて、それでいて収入アップや転職が有利になり活躍できる範囲も幅広いのが特徴です。

でも、「難易度とか資格を取って得られる年収とかよく分からない」という人が多いのが実情です。

この記事では、社労士試験と行政書士試験の難易度を比較し、ダブル受験やダブルライセンスについても紹介します。

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目次

社労士(社会保険労務士)と行政書士の比較(難易度)

社労士と行政書士の試験について、4つの基準で比較します。

  • 合格率:試験の合格率
  • 勉強時間:合格に必要な標準的な勉強時間
  • 試験内容:試験の科目・時間・出題形式など
  • 勉強方法:暗記・条文理解・横断学習の要否など

各比較規準を2段階で評価しています。
・△:難しい(低い)
・〇:簡単(高い)
社労士と行政書士の相対的な比較であり、他の資格試験は考慮していません。

社労士と行政書士 難易度比較①:合格率

比較社労士行政書士
受験者数40,633人47,850名
合格者数2,134人5,802名
合格率5.3%12.13%
難易度
一般財団法人行政書士試験研究センター

2022年度の結果です。

合格率から見て難易度が高いのは社労士です。

受験者数はほぼ同じですが、合格者数は社労士の方が2000人以上も少なく、合格率も1桁台後半です。

行政書士も難関と言われていますが、合格率では社労士の方が狭き門と言えます。

社労士の合格率の推移

スクロールできます
年度受験者数合格者数合格率
202240,633人2,134人5.3%
202137,306人2,937人7.9%
202034,845人2,237人6.4%
201938,428人2,525人6.6%
201838,427人2,413人6.3%
201738,685人2,613人6.8%
201639,972人1,770人4.4%
201540,712人1,051人2.6%

2015年は2.6%と極端に合格率が低いですが、その後は6%前後で落ち着いています。

2020年度の司法試験予備試験の合格率4.16%に近い合格率の低さです。

合格率の低さだけ見ても、軽い気持ちで受験して合格できる試験ではないことが分かります。

行政書士の合格率の推移

スクロールできます
年度受験者数合格者数合格率
202247,850人5,802人12.13%
202147,870人5,353人11.18%
202041,681人4,470人10.7%
201939,821人4,571人11.5%
201839,105人4,968人12.7%
201740,449人6,360人15.7%
201641,053人4,084人10.0%
201544,366人5,820人13.1%

行政書士の合格率は10~15%前後で推移しています。

少し前までは「簡単に取得できる資格」と言われていましたが、近年は目に見えて難関化しており、真剣に勉強しないと合格することはできません。

社労士と行政書士 難易度比較②:勉強時間

比較社労士行政書士
勉強時間1000時間程度800~1000時間程度
難易度

独学で社労士と行政書士の勉強をして合格するには、1000時間程度の勉強時間が必要と言われています。

行政書士の方がやや短いという人もいますが、ほぼ同じです。

特に法律初学者の場合は、法律用語や判例の読み方を覚えるのに時間がかかる傾向があります。

ちなみに、社労士や行政書士と比較されることの多い宅建士は、独学で300時間必要と言われています。

単純比較はできませんが、勉強時間で見ると行政書士や社労士の方が難関と言えるでしょう。

社労士と行政書士 難易度比較③:試験内容

比較社労士行政書士
受験資格ありなし
試験内容・科目:10
・時間:200分(午前・午後)
・形式:複数
・科目:8
・時間:180分(午後のみ)
・形式:複数
難易度

試験内容は、「受験資格」と「試験内容」に分けて比較します。

受験資格

比較社労士行政書士
受験資格・学歴
・実務経験
・試験合格
のいずれかを満たす必要あり
なし
難易度

社労士試験を受験するには、「学歴」「実務経験」「試験合格」という3つの条件を満たす必要があります。

行政書士試験には受験資格の規定がないので、社労士の方が受験の難易度は高いです。

試験内容

比較社労士行政書士
試験内容・科目:10科目
・時間:午前80分、午後120分
・形式:択一式、選択式
・問題数:78問
・科目:8科目
・時間:180分
・形式:5肢択一、多肢選択式、記述式
・問題数:60問
難易度

社労士と行政書士の試験科目は次のとおりです。

比較社労士行政書士
試験科目・労働基準法
・労働安全衛生法
・労働者災害補償保険法
・雇用保険法
・労働保険撤収法
・労務管理その他労働に関する一般常識
・社会保険に関する一般常識
・健康保険法
・国民年金法
・厚生年金保険法
・基礎法学
・憲法
・行政法
・民法
・商法・会社法
・政治・経済・社会
・個人情報保護・情報通信
・文章理解
難易度

社労士試験は、10科目について択一式と選択式の合計78問を午前80分、午後120分の合計200分で解く必要があります。

一方の行政書士試験は、8科目について、5肢択一式・多肢選択式・記述式の合計60問を午後180分で解かなければなりません。

科目や問題数は社労士試験の方が多いですが、記述式がある行政書士試験も難易度は高めです。

行政書士試験の記述式は、行政法と民法について40文字程度で解答を求める問題が出題されます。

予備試験や司法書士試験の記述式と比較すると簡単ですが、マークシートとは異なる勉強が必要になるので、法律初学者には難易度が高いです。

社労士と行政書士 難易度比較④:勉強方法

比較社労士宅建士
難易度

社労士と行政書士の試験に合格するための勉強方法は、基礎的な部分は似ています。

合格に必要になる基礎的な知識や条文、重要な判例についてはインプットとアウトプットを繰り返して記憶に定着させることが大切です。

過去問で頻出の用語や条文は暗記が必要になるものもあります。

また、択一式と選択式の問題に慣れるために過去問を繰り返し解くことも重要です。

  • 択一式:5肢から正解を1つ選択
  • 選択式:空欄に当てはまるものを多数の選択肢から選択

行政書士試験では、さらに記述式の勉強も必要になります。

インプットした知識を短い文章でアウトプットする必要があり、過去問や予想問題を実際に書いてみることが大事です。

行政法1問と民法2問の合計3問で60点も配点があるので、外すことはできません。

択一式と多肢選択式の勉強方法は似ていますが、記述式の勉強が必要になる分だけ行政書士試験の方が難易度は高いと言えます。

社労士と行政書士の難易度は知識経験や保有資格でも変わる

社労士と行政書士の難易度は、受験する人の知識経験や保有資格でも変わります。

例えば、中小企業診断士やファイナンシャルプランナーの資格を持っていると、社労士試験の勉強に必要な知識の一部はすでに獲得しているので勉強が楽です。

また、行政書士事務所に長年勤務していれば、試験勉強も取っつきやすいでしょう。

社労士と行政書士 年収UPや転職に有利なのはどっち?

社労士も行政書士も、勤務先によって年収アップできるかどうかが異なります。

転職をするにしても同じで、転職先によって資格が優遇されるかどうかが決まるので、必ず転職が有利になるとは言えません。

  • 社会保険労務士事務所
  • 士業事務所
  • 一般企業の人事部
  • 一般企業の総務部
  • コンサルティング企業
  • 予備校

社労士資格が年収UPや転職に有利になりやすい勤務先

社労士の資格を評価されやすいのは、社労士事務所や企業の人事部・総務部など労働・社会保険に関する勤務先です。

また、予備校で講師をする人もいます。

行政書士資格が年収UPや転職に有利になりやすい勤務先

  • 行政書士事務所
  • 一般企業(建築・不動産など)
  • 一般企業(法務部・総務部など)

一般的に、行政書士は一般企業では評価されにくい資格だと言われています。

そのため、独立開業をするか、その他の知識経験を活かして就職・転職する人が大半です。

ただし、行政書士事務所や建築・不動産関係の一般企業などで行政書士資格を活かして働いている人もいます。

一般企業に就職する場合、行政書士というより他の資格や経験を買われることが多いです。

そのため、他の資格も合わせて取得を目指す人が多くなっています。

社労士と行政書士のダブル受験・ダブルライセンス

社労士と行政書士は、ダブルライセンスを狙うことも可能です。

社労士とのダブルライセンスに向いている資格

社労士とは、労働や社会保険に関する法律の専門知識を持っていることを証明する資格です。

社労士とのダブルライセンスが向いている資格は次のとおり。

行政書士、中小企業診断士、FPファイナンシャルプランナーなど

行政書士とのダブルライセンスに向いている資格

行政書士とは、行政手続きのプロであることを証明する資格です。

行政書士とのダブルライセンスに向いている資格は次のとおり。

司法書士、社労士、宅建士など

社労士と行政書士のダブル受験は可能か

社労士と行政書士の試験日は2ヶ月ちょっとしか離れていません。

試験科目が大きく異なり、それぞれ独学だと1000時間程度の勉強が必要であることを考えると、ダブル受験はハードルが高いと言わざるを得ません。

ただし、社労士と行政書士の一方または両方の学習経験があるといった場合は、予備校を活用すればダブル受験でダブル合格は可能です。

社労士と行政書士のダブルライセンスのメリット

行政書士は、事業届や開業届、飲食店営業許可申請などについて官公署への申請代理ができる専門職です。

社労士は、健康保険、雇用保険、年金などの手続きができる専門職です。

異なる専門業務をこなせる社労士と行政書士のダブルライセンスは、仕事の幅を広げるのに役立ちます。

例えば、行政書士として会社設立に関する行政手続きを行い、設立後は社労士として社会保険の手続きや雇用契約書の作成、就業規則の助言などをすることが可能です。

片方の資格で獲得したクライアントに、もう一方の資格が活かせる業務についても依頼を受けることができるわけです。

自身が開業する場合も、単一の資格だけでは事務所を軌道に乗せることが難しいですが、ダブルライセンスなら顧客を獲得しやすいです。

また、万が一事務所の運営がうまくいかなくても、資格があれば企業に就職もしやすくなります。

社労士と行政書士に合格する方法

社労士と行政書士に合格するには、専門の予備校に通うのが一般的です。

十分な学習時間が確保できるなら独学でも合格は可能ですが、働きながらとなると1000時間も勉強時間を確保するには1~2年では済まないでしょう。

そこで、合格ノウハウを蓄積している予備校を利用し、効率的に学習して短期間での合格を狙います。

社労士や行政書士の講座がある予備校や通信講座は各10以上ありますが、本気で合格を狙える講座は限られます。

まずは短期間で合格できるカリキュラムのある講座を選び、その中から自分に合った講座を受講しましょう。

SNSの口コミで評判になっているのが、アガルートの行政書士講座アガルートの社労士講座です。

いずれの講座も業界トップレベルの合格実績と、それを支える質の高いカリキュラムや教材・講義が評価されています。

馴染みのある予備校や通信講座がないなら、一度はチェックしてみてください。

社労士と行政書士 難易度比較まとめ

社労士と行政書士の難易度はほぼ同じですが、勉強方法や試験の特徴が異なるので得手不得手があるはずです。

また、個人の知識や経験によっても難易度は変動します。

資格の勉強をする目的や必要性を考えて、どっちの勉強を始めるか決めましょう。

社労士も行政書士も難関資格なので、働きながら短期間で合格を目指したいなら予備校を受講するのが一般的です。

自分に合った講座を選び、効率的に学習して合格を目指しましょう。

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